【テクニック5】:価格帯別出来高
2024年7月更新
こんにちは! 株式投資がライフワークのロジカです
この記事ではテクニカル分析のテクニック5「価格帯別出来高」を解説します
これまでの記事で株価チャートには抵抗帯や支持帯となる価格が存在するとわかっていただけたかと思います
その目印が「高値・安値」であったり、「節目」であったりします
株価上昇時はどこで上げどまりやすく、下落時はどこでサポートされやすいのか。もしもチャート上にある全ての抵抗帯と支持帯がわかったら、めちゃくちゃトレードしやすいと思いませんか?
抵抗帯や支持帯がわかる指標って他にはないの?
はい、実はもうひとつ強力なヤツがあります。それが「価格帯別出来高」!
カカクタイベツデキダカ?
なんだか複雑で難しそうですよね
でも決してそんなことはなく、ただチャート上に表示すればOKです。それだけで重要株価が一目瞭然となります!
この記事では
といった疑問にお答えしながら、「価格帯別出来高」の使い方やメリットを解説していきます
価格帯別出来高はテクニカル分析の強い味方! 株価チャートとセットで表示しておくといいよ!
価格帯別出来高とは
価格帯別出来高の話をする前に
そもそも「出来高」ってなんだっけ?
という人もいるかもしれません
出来高とはその期間にどれくらいの株数の取引きが成立したかを示すもので、通常はローソク足チャートの下に縦棒グラフで示されます
出来高がよくわからない人は、先に以下の記事を読んでみてください
株価が上昇するには投資家がその銘柄に注目して、売買が徐々に盛り上がっていく必要があり、そのときには出来高もつられて上がっていきいます
また上昇から下落に転じるときも、多くの投資家が我先にと売ろうとするので、出来高がかさみます
つまり出来高とは株価を動かすエネルギーそのもので、出来高が伴わなければ大きな値動きは起こりにくいのです
じゃあ価格帯別出来高って何なの?
価格帯別出来高とは「株価XX円で何株の取引きがあったか」を株価チャートの横軸に横棒グラフで価格帯ごとに示したものです
ある価格の出来高が多ければ、その価格で取引した投資家が多いことを示しています
価格帯別出来高をトレードに応用するには
それでは価格帯別出来高をトレードに生かすにはどうすればいいでしょうか?
結論から言うと、「価格帯別出来高が多い価格は抵抗帯や支持帯として扱う」です
どういうこと?
もう少し価格帯別出来高について考えてみます
出来高がたくさんあった価格というのはたくさんの投資家が売り買いしていることになります
それはつまり、その価格で株を持っている人が多いということです
例えば価格帯別出来高が多い株価で買ったけど、株価が下落して損失を抱えてしまった場合を考えます
このとき下がっていた株が買った価格まで戻ってきたら
今まで損してたけど、やっとプラマイ0まで戻ってきた。また下がったらイヤだから売っておこう
というように損失を抱えている投資家の手じまいが起こり、下落していた株価であれば上げどまりの抵抗体になりやすいのです
逆に、価格帯別出来高が多い株価で空売りしたのに、株価が上がっていってしまい損失が出ている場合を考えましょう
もしも上がっていた株価が空売りした価格まで下がってきたら
やっと元の価格まで下がってきたぞ! これでプラマイ0だし、損したくないから買い戻そう
こんな感じで、上昇していた株価であれば下げ止まりの支持帯になりやすいです
まとめると、出来高の多い価格は株価がその価格帯よりも上にあれば支持帯に、下にあれば抵抗帯になるということです
逆に出来高が少ないところは、その領域で株をもつ投資家が少ないことになるので、株価がすいすいと通りやすい価格だと言えます
このように、価格帯別出来高から上げ止まりや下げ止まりを判断することができるのです
さらにいうと、価格帯別出来高が多い価格を株価が反転せずに抜けた場合には、その上昇や下落の勢いはかなり強い、と判断できます
これらを売買ルールに落とし込むとこんな感じになります
- 出来高が多い価格を超えられずに下落したら売る
- 出来高が多い価格を超えて上昇したら買う
- 出来高の多い価格で反発して上昇したら買う
- 出来高の多い価格を割って下落したら売る
以下は東洋製罐(とうようせいかん)グループHDの日足チャートです。このチャートを使って売買の具体例を説明します
このトレードでは
- 3ヶ月を超える上昇後、初めての長期線タッチ
- 長期線にタッチする株価の価格帯別出高が多い
を根拠に買い戦略を立てます。具体的に説明していきます
半年以上続いている上昇トレンド中に、中期線を大きく割って長期線に接近するくらい下落していきました
こんな場合は長期線で反発して再び上昇する可能性が高いです
目安としては3ヶ月以上の上昇があればOK。その後に初めて長期線にタッチする場合に使ってみてください
ここで価格帯別出来高を見てみると、ちょうど長期線に触れそうな株価の出来高が多いことがわかります
ということは、この価格は下落の抵抗体となり跳ね返されやすい、と言えます
これらの2つを根拠に、高確率で長期線で反発することが予測できるのです
エントリーポイントは長期線に陰線でタッチした翌日の陽線がベスト!陽線が出た日に買いましょう
利益確定は新値更新で考えます。エントリーした陽線を1日目として、新値更新を数えて5日目以降の陰線を待ちます
新値更新6日の翌日に陰線が出たので利益確定します。これで約8%の利益が取れました!
価格帯別出来高は他のテクニックと組み合わせて使ってね
まとめ:チャート分析の強い味方!価格帯別出来高で株価の流れを予測しよう
「価格帯別出来高」の記事のまとめです
- 価格帯別出来高とは「株価XX円で何株の取引が成立したか」を株価チャートの横軸に横棒グラフで価格帯ごとに示したもの
- 出来高の多い価格は、株価がその価格帯よりも上にあれば支持帯に、下にあれば抵抗帯になる
- 出来高が少ない価格は、株価がすいすいと通りやすい
- 出来高が多い価格を超えられずに下落したら売る
- 出来高が多い価格を超えて上昇したら買う
- 出来高の多い価格で反発して上昇したら買う
- 出来高の多い価格を割って下落したら売る
価格帯別出来高が多いとその価格は、支持帯や抵抗帯となり株価をせきとめる強力なストッパーとして作用します
これまでの「高値・安値」や「節目」では
この価格は投資家が意識するだろうな
くらいのあいまいな心理的期待を考慮したテクニックでしたが、価格帯別出来高は違います
価格帯別出来高はその価格で実際に取引があった数を示しているので、「投資家が使ったお金」に裏付けられていることになります
これは事実でありデータなので、出来高の多い価格では高確率でストッパーが機能するのです
そんなわけでこの指標はめちゃくちゃ大切! チャート分析の最強ツール「価格帯別出来高」をマスターしてください
まだ設定していない人は、今すぐチャート縦軸に「価格帯別出来高」を表示しよう!
次は「RCI」について学習します。テクニック4で学習した新値更新は、5日目以降の反転が起こりやすい、という目安でした
「RCI」も似たような使い方をするもので、株価の上がりすぎ、下がりすぎなどの過熱感を表現する指標になります
エントリーやイグジットタイミングの精度を高められるので、是非こちらの記事も確認してみてください。
この記事はこれで終わり、最後まで読んでいただき感謝です!