【初心者向け】FIREの超基本を詳しく解説します!
2024年4月更新
株式投資で暮らしています。ロジカです
- 仕事をやめたい
- お金持ちになりたい
- 自由に暮らしたい
なんて考えたことはありませんか?
誰でも一度は、現実逃避して理想の生活を思い描いたことがあると思います
どうせ無理だし、そんな妄想は虚しいだけ
でも、本当に理想をかなえるにはどうすりゃいいの?
そんなとき、よく耳にするのが「FIRE」という単語です
「FIREすれば自由な生活が送れる!」
「FIREして自分らしい生き方をしよう!」
こんな甘いフレーズをちょくちょく見かけますが
「FIRE」って言葉は知ってるけど、ぶっちゃけ何のことだかよく分からん
というような人が多いのではないでしょうか
この記事では
というよくある疑問に
実際にFIREを目指して、実際にFIREを達成した、経験者である僕が
● 基本中の基本を
● 超わかりやすく
答えていきます!
興味はあるけどよくわかっていない初心者の方や、これからFIREを目指してメラメラ燃えている方に向けて、FIREの超基本を解説していきます
FIREをゼロから説明するよ
そもそも「FIRE」って何!?
最初に結論をお伝えすると、FIREとは “ Financial Independence, Retire Early ” の略語です
前半の ”Financial Independence” が「経済的自立」、後半の ”Retire Early” が「早期リタイア」という意味です
日本では、ほとんどの人が60歳の定年まで働いた後に快適な老後を楽しむというイメージを持っていました
ところが近年は変わったライフスタイルを想像する人が増えています。具体的には、積極的に投資をして経済的自立を勝ち取り、退職年齢より前に早期退職するライフスタイルです
この思想の変化と流行のことをFIREムーブメントと言います
その由来は1992年にベストセラーとなった、ジョー・ドミンゲスとヴィッキー・ロビン著『お金か人生か(原題:Your Money Or Your Life)』だと言われています
著者は本の中で「投資した利益で生活できるようになれば、それ以上に働く必要はない」という持論を展開しました
この考え方が2010年代に、主にSNSやブログの登場で広まっていったのです。たくさんの人がSNSやブログを通じて自分のFIRE体験を報告し、それを読んだ人々やフォロワーにもFIREを勧めました
やがてFIREムーブメントはアメリカから欧州や日本にも拡大し、今日のFIREブームにいたります
FIREの歴史なんてどーでもいいわ
ここからは、どんな人がFIREに取り組むべきなのか解説するよ
それではこの「FIRE」、どんな人が真剣に考えるべきなのでしょう?
それは次のような人です
- 忙しくてやりたことができない
- 仕事はお金を稼ぐためだけに続けている
- 職場の人間関係に疲れてしまった
こんな人達は「早期リタイア」することが、人生を豊かにする1つの選択肢になります
なぜなら今の仕事に満足できていないため、やめるだけで人生のプラスになるからです
そして仕事をやめるために目指すのは「経済的自立」です
経済的自立ができると次のような効果が見込めます
- 好きなことができる、それを仕事にできる
- 夢や使命感を持ち、人生をかけて取り組める仕事ができる
- お金が稼げなくても生きがいを感じられる
- やる気とモチベーションを維持して充実した時間を過ごせる
「経済的自立」により「早期リタイア」を実現すると、自分が本当にやりたかったことに時間をかけられるようになります
このようにFIREを達成すれば、退職年齢まで働き続ける通常の人生とは違った新しいライフスタイルを選べるようになるのです
FIREするとどうなるの? FIREのメリット・デメリットまとめ
実際にFIREするとどうなるのでしょう?
ここでは前パートよりも細かく、メリットとデメリットを見ていきます
経済的自立を達成すると最初に勝ち取れるのが、「仕事をやめられる」権利です
FIREすれば当然、仕事をする必要性がなくなります
そのため、これまで仕事が原因で発生していた不満が解消されます
- 働かないと生活できない
- 仕事がつまらない
- 好きなことをする時間がない
- 職場の人間関係がストレス
もしもこんな悩みをお持ちなら、FIREで一気に解決できます!
次は経済面のメリットです
自分だけで稼げる資産運用の手段があるので、お金や生活の心配から解放されます
- 安定した暮らしをしたい
- 家族や子供に迷惑をかけたくない
- 年金だけで老後を過ごせるのかわからない
- 趣味や旅行を楽しみたい
1つでも当てはまるものはありますか?
「今の生活はなんとかなってるけど、頭の中は将来の不安と欲望でいっぱいだ」
そんな経済面の悩みを抱える人にとって、FIREは大きな価値があります!
最後はFIREの最も大きな恩恵である「選択の自由」です
強制的に働く必要がなくお金にも困らないため、自分の好きなことをすればいいのです
全てを自分で決められる、つまり人生の主導権を握れるということです
- 自由にゆったりと暮らしたい
- あきらめずに自分の夢をかなえたい
- 世界中のいろいろな場所へ行ってみたい
- 大学で勉強しなおしたい
時間がある、お金がある、まさに最強レベル! FIREをすれば誰でも、この無敵状態に到達できます
あとはあなたが本当にやりたいことに取り組むだけ
自分の思い通りの人生が送れるのです!
メリットだけでなくFIREの負の側面もお伝えしておきます
- 仕事をやめるので、これまでの職場のコミュニティを失うことになる
- いたずらに時間が過ぎて退屈な人生になってしまう
退職して自由な時間が増えるため、上のような2つの問題が起こることがあります。ただし、これらは事前に対策を打てるため大きな問題ではありません
1つ目の「コミュニティ喪失」は、仕事以外のプライベート(家族や友人)や趣味のコミュニティを充実させておけばOK
2つ目の「退屈な時間」は、自分が本当にやりたいことを見つけておけばOK
要は「FIREする前にFIRE後の人生計画をちゃんと立てよう」ってことです
- 何のためにFIREするのか
- FIRE後に何をするのか
- どこに住むのか
- 誰と過ごすのか
- 自分の本当にやりたいことは何か
これらをちゃんと考えておきましょう。何も考えずにFIREしてしまうと
「やることない」 → 「人生つまらん!」
こんな風に自分の残りの砂時計が落ちていく様子を、ただただ眺めるだけの退屈な人生になってしまいます
「無我夢中で生きていたら、いつの間にか時間が過ぎていた!」
そんなパワフルでエキサイティングな人生を過ごしたいですよね
リタイア後の人生を台無しにしないよう、退職前に必ず人生設計をしてください
「やりたいことの見つけ方」は別の記事にまとめているので、くわしく知りたい方はこちらをどうぞ ▼▼
「フルFIRE」と「サイドFIRE」の2種類を理解する
FIREにはフルFIREとサイドFIREの2種類があります
- フルFIRE : [資産収入]
- サイドFIRE : [資産収入 + 労働収入]
用語の定義を説明します
細かく言うともっと多くの種類に分かれるのですが、この2つの概念を理解していれば十分です
フルFIREとサイドFIREの違いを簡単に言うと
フルFIRE → 働かない
サイドFIRE → ちょっと働く
ってことです
この2つのFIREに対して生活コストの観点で、さらに2つの型に分類できます
- 贅沢型FIRE
- 節約型FIRE
生活コストとは食費や住居費や光熱費、交際費やお小遣いなどの生活にかかるお金のことです
それぞれの用語の定義を説明します
贅沢型FIREと節約型FIREの違いを簡単に言うと
贅沢型FIRE → 節約しない(意識しない)
節約型FIRE → 節約する
になります。節約するか、しないかだけです
ここまで紹介した4つのFIREを「資産収入」と「生活コスト」の軸で次の図にマッピングしました
資産収入と生活コストが高くなる右上に行けば行くほど、働かずに贅沢な暮らしができる完全FIREを達成できます
反対に、資産収入と生活コストが低くなる左下に行けば行くほど、働きながら節約しなければならない苦しい生活になっていくでしょう
当然ですが、右上の「フルFIRE贅沢型」はたくさんのお金が必要ですし、左下の「サイドFIRE節約型」は少額でFIREすることができます
目指す生活レベルと働くかどうかで、必要なお金が変わってくるぞ
フルFIREとサイドFIREのメリット・デメリット
「フルFIREとサイドFIREはどちらを選べばいいの?」
そんな人のためにそれぞれのメリット・デメリットを説明します
メリット
- 働かなくていい
- 資産収入が多く生活コストを上げられる
デメリット
- FIREにたくさんの資金が必要
メリット
- FIREに必要な資金が少ない
デメリット
- 働かなければならない
- 働く時間により自由時間が少なくなる
- 資産収入が少ないため生活コストを上げられない
「フルFIRE」は資産収入が多いので働かなくてよく、生活コストを上げられるのがメリットです
逆に多くの資産収入が必要となること自体がデメリットになります
「サイドFIRE」はフルFIREとは反対に、資産収入が少なくてすむことがメリットです
デメリットは資産収入が不足しているため働かなければならず、時間の自由を奪われてしまうことです
また収入不足により生活コストを上げられません
以下に4つのFIREのメリット・デメリットを表で比較しました。スマホでは横スクロールしてご覧ください
FIREの種類 | 労働時間 | 必要資金 | 節約の必要性 | 生活コスト | |
フルFIRE | 贅沢型 | なし | とても多い | 不要 | 大きい 贅沢できる |
節約型 | なし | 多い | 必要 | 小さい 倹約生活 | |
サイドFIRE | 贅沢型 | あり | 普通 | 不要 | 大きい 贅沢できる |
節約型 | あり | 少ない | 必要 | 小さい 倹約生活 |
重要なのは「労働時間」と「必要資金」がトレードオフ、つまり逆の関係になっていることです
働けば自由時間は少なくなるけど、FIREに必要な資金は少なくて済む。働かないと自由時間は増えるけど、FIREするのにたくさんのお金が必要になる
この辺りのメリットとデメリットを理解したうえで、自分はどのFIREを選ぶのか考えていくことになります
お金がいくらいるのか分からないと、そんなの決められねーよ
そうですよね
それでは目標金額を含めて、次のパートで「お金」の話をします!
お金の流れを作る! FIREの資金作りの超基本
FIREするためのお金は次の手順で作っていきます
STEP1:目標金額を決める
STEP2:支出を減らす
STEP3:収入を増やす
STEP4:資産を増やす
STEP1:目標額を決める
FIREの必要金額は次の式で算出できます
FIREするための必要資金 = 年間の生活費 × 25
年間の生活費というのは、住居費や食費、光熱費、医療費、娯楽費など1年間の生活にかかるお金の合計です
たとえば1年に400万円の生活費がかかる場合、FIREに必要な資金は
400万 × 25 = 1億
1億円が必要だ、と計算できます
退職後の自分の生活をイメージして、1年にどのくらいお金をかけたいのか。そこから年間の生活費を見積もって必要資金を計算してください
「なぜこの式で必要資金がわかるの?」
「必要金額ってだいたいどのくらい?」
こんな疑問のある人に向けて詳しい説明を以下の記事でまとめています。興味のある方はご覧ください▼▼
STEP2:支出を減らす
FIREをするためにお金を増やしていくことになりますが、増やす前に手元にお金がなくては話になりません
そこでSTEP2、STEP3で初期資金や毎月の積立て金を作る活動をします
STEP2では今の支出状況からお金を作ることができないか考えていきます
節約の基本は
- 家計簿をつけて支出を見える化する
- 不要な支出を削る
- 必要な支出はより安いものに変える
の3つです
自分の家計を把握して、不要なものはないか、もっと安くできるものはないか検討してみましょう
節約テクニックについては別の記事にまとめました ▼▼
STEP3:収入を増やす
「家計を見直しても削るとこなんてないよ!」
そんな生活がカツカツで支出を減らせない場合には、もっと稼ぐしかありません
お金を稼ぐ方法は本業の収入を伸ばすか、副業で新たな収入をつくるかの2択です
本業
- キャリアアップ転職をする
- 資格を取って昇給する
副業
- 趣味やスキルを活かす
- 隙間時間を活用する
おすすめは副業。本業よりも手っ取り早くお金を稼ぎやすいからです
何か資格や特技があるなら専門性を活かした高時給の仕事があります。趣味を活かした仕事ならモチベーションを維持して働けます
ここで注意してほしいのは、スーパーやコンビニなどのアルバイトをしてはいけない、ということ。本業後に体力のいる仕事をしていては、ヘトヘトになってそのうち倒れてしまいます
STEP4:資産を増やす
STEP2、STEP3で作ったお金を運用して増やしていきましょう
投資は「長期」「積立」「分散」でリスクを減らすことが基本です。そのため多くのFIRE啓発本ではインデックス型投資信託が推奨されています
インデックス型投資信託に毎月少しずつ積み立てていく、というのが対FIRE資産運用のスタンダードになっています
インデックス型投資信託は、定期購入を設定してしまえば買うタイミングで迷うことはありません
さらにプロにお任せしてリスクを抑えた分散投資ができるメリットもあります
つまり「勉強も才能も不要で、買ったら何もせずに誰でも同じ結果が出せる」ので、初心者向けのすばらしい運用方法なのです
その他にリスクを抑えた金融商品には以下のようなものがあります
- インデックス型投資信託
- バランス型投資信託
- ETF
- 不動産投資
リスクをとって積極的に増やす商品では
- アクティブ型投資信託
- 高配当株
- 個別株
- FX
などが挙げられるでしょう
これらの運用方法で目標金額までお金を増やしていきます
FIREの資産形成のトレンドについて別の記事でまとめましたので、合わせて確認してみてください
インデックス型投資信託はすばらしい商品ですが、利回りが小さいというデメリットがあります
そのためこのブログでは別の手法を推奨しており、その辺りの理由や手法の詳細について以下の記事で説明しています。ぜひご覧ください!
まとめ:FIREをするとお金の不安から解放されて自由に好きなことができる
- FIREをするとやりたくない仕事から解放される
- FIREをすると経済的な安心感が得られる
- FIREをすると人生の選択肢が増える
- 完全リタイアの「フルFIRE」と少しだけ働く「サイドFIRE」がある
- FIREの資金作りは【①目標設定→②支出DOWN→③収入UP→④資産運用】の4STEP
「FIREってこんな感じなんだ! 俺もやってみよう」
仕事をやめようか迷っている方が、こんなふうに少しでもFIREを自分事としてとらえてもらえるとうれしいです
FIREをすると人生が充実して幸せになれます
「今日はどんな楽しいことをして遊ぼうか」
毎日ワクワクしていた子供時代のように、自分時間を自由にデザインできます
時間の自由とお金の自由、ひいては人生の自由を掴みとることができる
道のりは楽ではないですが、FIREにはそれだけの価値があります
これを機会に第一歩をふみ出してみてください
この記事はFIREの超・超・基本的なところをサラっと説明しています
「もっと知りたいな」って人に向けておすすめの本を紹介していますので、良かったらどうぞ
おまけ:日本とアメリカの違いは?
「FIREはアメリカ発なんだよね? アメリカの生活に合わせて生まれた考え方じゃないの?」
「アメリカは仕事やめても国が助けてくれるんじゃ? 日本でFIREしたら損しない?」
そんな疑問にお答えしようと思います
結論から言うと、早期リタイアでアメリカ特有のメリットはなく、むしろ日本の方が手厚い制度で守られています
アメリカと日本の社会保障や雇用制度を比べてみました。スマホでは横スクロールしてご覧ください
定年まで働き続ける場合 | 早期リタイアする場合 | |||
アメリカ | 日本 | アメリカ | 日本 | |
保険 | 民間保険に 任意加入 | 健康保険 (国民皆保険) | 変化なし 民間保険に 任意加入 | 変化なし 健康保険 (国民皆保険) |
退職金 | 退職金なし | 退職金あり | 退職金なし | 退職金あり 定年退職より 減額される |
雇用 | 定年制度なし 退職年齢は 自分で決定 | 定年制度あり 60歳 or 65歳 | ー | ー |
年金 | あり (高所得者と 被雇用者のみ) | あり *国民年金 *厚生年金 | あり 定年退職より 受給額が 減額される | あり *国民年金 定年退職より 厚生年金分の 受給額が減額される |
保険
日本は公的な健康保険に強制加入されますが、米国は公的保険はなく民間保険へ個人の判断で加入することになります。早期リタイアしても日本は公的保険が守ってくれるので安心です
退職金
日本では当たり前のようにもらえる退職金ですが、アメリカには退職金という概念がありません
その点は日本の方が恵まれていますが、早期リタイアした場合には定年退職より退職金が減額されることが多いので注意が必要です
雇用
アメリカは定年制度がなく、退職年齢は自分で決めます。日本はこれまで60歳が定年とされていましたが、高齢者の雇用継続がトレンドになっています
今後は65歳、70歳に定年を引き上げる企業が増えていくでしょう
年金
アメリカにも高所得者や会社で雇われている人には公的年金制度があります。そのため早期リタイアすると受給額は減額になります
日本の会社員は国民年金+厚生年金を収めています。早期リタイアすると厚生年金から脱退するので、定年退職よりも受給額は減額されます
ただし65歳で受け取らずに66~75歳の間から受給開始する「繰り下げ受給」を選択すると、受給額を増やせる仕組みがあります
まとめるとこんな感じ
- 日本の社会保障はアメリカよりも手厚い(国民皆保険・皆年金)
- そのため早期リタイアしても日本の方がもらえるお金が多い
- 日本で早期リタイアすると退職金の受け取り額が少なくなる
- 日本もアメリカも早期リタイアすると年金の受給額が少なくなる
仕事をやめても日本はたくさんお金がもらえる
会社をやめて不利な条件は、アメリカと比べると1つもありません
ただし退職金や年金は定年退職する場合より減ってしまう、それだけがデメリット
それを踏まえて、フルFIREかサイドFIREのどちらを選ぶか決めればいいと思います
この記事はそんな感じです!